客車の前後左右について

客車の前後左右各部分の位置の称呼については、「前位」「後位」、「1位」「2位」「3位」「4位」
といったように規定されています。
また、側面については「公式側」「非公式側」といった呼称もあります。
各位置についての規定・図解及び事例を下記に掲載いたしましたので参照してください。

 
 



規定抜粋(注:規定は時代によって変化しているので、下記規定は一例です)
鉄道公報第3215号(昭和35年6月10日(金曜日))より抜粋

●総裁達第319号
 車両各部分の位置の称呼規程を次のように定める。
 昭和35年6月10日
        日本国有鉄道総裁 十河 信二

   車両各部分の位置の称呼規程
(適用範囲)
第1条 機関車(特殊機関車を除く。)、旅客車及び貨車(以下「車両」という。)の各部分の位置の称呼
    については、この規程の定めるところによる。
(位置の決定)
第2条 車両各部分の位置の称呼順位を定めるため、次の各号に示す側又は方向を車両の前位とし、
    その車両の後位から前位に向って左右を定める。
 (1)〜(3)は機関車に関する規定なので省略
 (4) 客車は、次に定める側。但し、装置又は構造が次の2以上に該当する場合は、
   その先順位のものによりこれを定める。
  イ 一端に手ブレーキ装置のある場合は、手ブレーキ装置のない側
  ロ 出入台が一端のみにある場合は、出入台のない側
  ハ 合造車は優等室側、食堂、郵便、手荷物等の各室と客室との合造車は客室側、
    郵便室と手荷物室との合造車は郵便室側
  ニ 各等全室で一端に便所のある場合は、便所のない側
  ホ 食堂車は、料理室のない側
 (5)〜(7)は電車・気動車・貨車に関する規定なので省略
(称呼順位)
第3条 車両各部分の称呼順位は、前位から後位に順次1位、2位、3位と呼び、左右に並列するものは、
    前位の右を1位、同左を2位と呼び、以下右から左に順次後位に及ぼすものとする。
資料提供:クモイ103様

これ以外にも例外規定?等が存在したようなので、詳細な情報等をお持ちの方は「客車倶楽部」
投稿いただければ幸いです。


車両(客車)を上部(屋根)方向から見た場合の位置呼称

右前位

1位側
後位から前位に向って右 → 右側面
1−3位側面

非公式側
右後位

3位側
前位側
手ブレーキ装置のない側 一端に手ブレーキ装置のある場合 手ブレーキ装置のある側
出入台のない側 出入台が一端のみにある場合 出入台のある側
優等室側 合造車の場合 非優等室側
客室側 食堂、郵便、手荷物等の各室と客室との合造車の場合 食堂、郵便、手荷物側
郵便室側 郵便室と手荷物室との合造車の場合 手荷物室側
便所のない側 各等全室で一端に便所のある場合 便所のある側
料理室のない側 食堂車の場合 料理室のある側
装置又は構造が、上記の2つ以上に該当する場合は、その先順位のものによりこれを定める。
(例えばイ及びニが両方該当する場合はイの項目が優先する)
その他、展望車は展望室・展望デッキ側が前位側
後位側
左前位

2位側
後位から前位に向って左 → 左側面
2−4位側面

公式側 形式図は基本的にこちら側
左後位

4位側

IE8 ・文字サイズ中 以外の場合、上の表の画像がずれる場合がありますのでご了承ください。



実際の車両(写真)における位置呼称例

例1 スハフ42(緩急車)
    上記イ(一端に手ブレーキ装置のある場合)に該当
手ブレーキ装置の
       ない側

前位側
手ブレーキ装置の
ある側(車掌室側)

後位側
左前方 → 2位側
2−4位側面 ・ 公式側
左後方 → 4位側



例2 オハニ36(合造車)
    上記ハ(食堂、郵便、手荷物等の各室と客室との合造車の場合)に該当
客室側

前位側
荷物室側

後位側
左前方 → 2位側
2−4位側面 ・ 公式側
左後方 → 4位側



例3 オハ47
    上記ニ(各等全室で一端に便所のある場合)に該当
便所のない側

前位側
便所のある側

後位側
左前方 → 2位側
2−4位側面 ・ 公式側
左後方 → 4位側




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